学校での演奏、子どもたちへの演奏。

毎年2月は小学校での演奏の依頼がある。2年生の国語の教科書にスーホの白い馬が載ってて、その授業の理解を深めるため、ということで、2年生を前に演奏させてもらってます。今年も、うちの子どもたちが通う地元の学校の他に、横浜、滋賀、京都の5つの学校で演奏。どの学校も、ずいぶん前にたまたまご縁があり演奏させてもらって以来、毎年よんでくれてます。

演奏が終わった後、休み時間なんかに廊下ですれ違う上級生に、あ、馬頭琴の人だ!と声をかけられたりすることがある。学校生活の毎日ある授業の中で、たった一度の、一時間の出会いなんだけど、何年も覚えていてくれるのはほんとに嬉しい。馬頭琴、ホーミー奏者冥利につきるなって思う。

そんな学校での一時間の、演奏とモンゴルで撮ってきた写真を見せながらの話の中で、子どもたちに何を伝えようか、何が伝えられるのか、毎年毎年考える。馬頭琴やホーミーの音色の豊かさ、モンゴルの遊牧民の暮らしの豊かさ、自然の美しさ、厳しさ、素晴らしさ、人間の強さ、などなど。例えばそれらを箇条書きにして、しっかりまとめてプログラムを作って練習して、それを子どもたちを前に演奏したとしても、伝えたいことが子どもたちに伝えられない気がする。僕が伝えたいのは、知識じゃない。

今年の授業では、モンゴルで僕が実際に体験したエピソードや、その時に感じたことを交えながら、時には(頻繁に?)話が脱線して想定していた曲じゃない曲を演奏したりもしたけど、子どもたちに、僕がモンゴルを旅した喜びや感動、世界には想像したこともない素晴らしいことがたくさんあるということ、そんな事は伝えられたんじゃないかなと思う。

僕が伝えられるモンゴルなんて、モンゴルのほんの一欠片だけど、聴いてくれた人がもしいつかモンゴルへ行ったり、あるいは音楽なり何かを始めたりしたら、その先には僕が伝えられることとは比べられないほどの素晴らしいことがおこる。そんなきっかけの存在であれたらなあ、と思う。

もし、学校で子どもたちに僕の演奏を聞かせたいと思う人がいたら、全国どこへでも飛んで行きます!

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