モンゴルツアー2016 ツアーレポートその 8

2016年 モンゴルツアーレポート初日
8月4日(木) ツアー5日目
ホスタイ国立公園 モイルトキャンプ場へ

アルブルドキャンプ場での最後の夜は、オリオン座やおうし座が東の空に登ってくるのを毛布に包まって眺めながら明けた。今日はホスタイ国立公園、モイルトキャンプ場まで移動だ。
草原の道を北西へ向かって最短距離を走るルートもあるのだけど、今年は雨が多かったためにトーラ川にかかる木の橋を渡ることができないかもしれないというので、来た道を戻り、UB手前で西へ向かいトーラを渡るルートで行くことに。今日の移動、道に迷うことなく、スタックや故障もせずすんなりとモイルトまでたどり着くのだろうか?

朝食を食べた後、お昼のお弁当を持ってアルブルドを出発。昨日まで乗馬した道を砂埃を巻き上げながら車で走る。40分ほど行くと前方にUBまで伸びる舗装道路が見えてきた。
草原の中に一本だけ伸びる舗装道路を快調に走らせて、UB手前のガソリンスタンドで給油。モイルトキャンプ場で飲むビール、アルヒ(モンゴリアンウォッカ)を買い出ししようと何軒か食料品店を訪ねるけれど、お目当ての黒ビール、ハラホリンは売っていなく諦めてウォッカのみを購入。運転手のムンフーは4リットルくらいは入っていそうなペットボトル入りのビールを2本も買っていた。トーラ川を渡って再び未舗装の道へ出る。しばらく行くとカラフルなテントを張ってる人たちが何組か見えてくる。ムンフーが、明後日からこの近くでナーダム(お祭り)が開かれるみたいだって言っている。ちょうどホスタイからUBへ帰る日だし、通り道でもあるので、ひょっとしたら見れるかもしれない。前方に再び舗装道路が見えてきた。7〜8年前に完成したUBからカラコルムへと続く幹線道路だ。ここからモイルトキャンプ場までの道のりは僕もよく知っている。凄いぞ、ムンフー!今回も今までの最速記録更新間違い無しだ。笑

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まるでラリーのような道を行く。前に車が走っていると悲惨だが、この日は他にすれ違う車もなく気持ちがいい。

幹線道路を1〜2時間(道の心配も無く安心してしまい、時間の感覚が大雑把になってきた。)走ると遠くに目印の砂丘、そしてとんがり山が見えてきた。ホスタイ国立公園と書かれた看板を左に曲がり、再び草原のでこぼこ道へ。麦やジャガイモの広大な畑の横を30分ほど走らせると、国立公園の野生馬保護センターに到着。この施設、ツーリストだけではなく、野生動物の研究や調査をするために全世界からやってくるボランティア研究員たちも利用するする施設で、管理棟やレストラン等、たくさんのゲルが建ち並びちょっとした村のようだ。ちょうどお腹もすいてきたのでそこでお昼の弁当を食べることにする。食事の後、たどたどしい日本語の国立公園の紹介DVDを見て、ビールを買い込んで、今日の宿泊地、国立公園の西の端っこの隠れ家モイルトキャンプ場へ向けて再び出発。ここまでくればもうあと1時間ほどで到着だ。

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モイルトキャンプ場への最後の難関。車を降りてみんなで歩く。

人が積み上げたような不思議な岩を頂きにいくつも載せた山々、家畜に食べられていない美しい草原、それに高山植物の花々の中を、だんだん細くなっていく轍を頼りに進む。峠を越える手前で車が大きく傾く。この峠、雨が降ったら絶対に越えられない急坂で、ここを越えればモイルトキャンプ場まではもうすぐだ。みんなで車を降りて、峠を歩いて越えることに。昨日までのような暑さがうそのように、いつものモンゴルの日差しは少し強いけど爽やかな気候に戻っている。こんな風景の中をのんびり歩いて宿泊地へ行くなんて、なんて気持ちのいい、なんて素敵な旅だ、といつも僕は思うのだ。

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キャンプ場が見えてきた。回りにはなんにもない。この景色を独り占め。

モイルトキャンプ場に予定よりも早い時間に到着。モイルトとは木の実の名前、ホスタイとは白樺が生える、という意味で、この辺りには山の北斜面を中心に白樺や針葉樹が生えてるので、野生馬はじめ鹿やオオカミ、プレーリードッグのようなタルバガなど、たくさんの野生動物、鳥類が生息でいる。アルブルドのような大草原も好きだけど、山に囲まれて少し空が切りとられた景色を見るとなんとなく落ち着く。15分も登るとキャンプ場の両側に連なる不思議な岩々が並ぶ稜線にでられるし、稜線を歩くと、時が止まってるような気分、何千年も前から変わらない自然の中にいるんだなって気分になる。

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モイルトキャンプ場には木造の建物、ゲルがあり、その前の草原にはテーブルと椅子が置かれている。

夕食までまだ少し時間があるのでキャンプ場のまわりを散歩。南側の山の、中腹の岩の一つに腰掛け、山を見ながらしばらくの間ホーミーの練習。シーンとした空気、景色にびっくりするくらい声が響く。キャンプ場に戻り夕食を食べる頃、夕日が稜線へと沈んで行った。食後はみんなで草原に置かれているテーブルに集まってアルヒ(モンゴリアンウォッカ)で乾杯。昨日までとはうって変わって日が沈むと肌寒い。アルブルドでは防寒着を持ってきて損した、なんて言っていたKさんはここぞとばかりにダウンジャケットを着込んでいる。僕も長袖の上にカッパを着こみ、部屋から馬頭琴を持ってきて演奏を始める。今夜は雲が広がり星はあまり出ていないけど、だんだんと暗くなる中、明りも灯さずにみんなでビールとアルヒを飲みながら楽しく過ごす。キャンプ場に手伝いで来ている10歳と15歳の兄弟が、こちらを気にしながら、弟はカラスの鳴き真似でなぜかジングルベルを、兄はボイスパーカッションを歌いながら歩きすぎる。声をかけると照れながらもこっちにやってきて歌ってくれた。リズムは上手く合わないけど、それがまた面白い。なんとも楽しい兄弟。

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チンギスアルヒ。ロシアのウォッカよりも口当たりが甘くて美味しい。外で飲むとなお美味しい。

ビールを何本も空けて、真っ暗な草原で側転したりもしてしこたま酔っ払った頃、ポツリポツリと雨が降りだした。テーブルの下に潜りこみ飲み続けようとしたけど、雷もなりだし(確かなったと思う。酔っていて記憶が定かでない。。。)どうやら雨は本降りになりそうなので、諦めて部屋へ戻る。ホスタイ一泊目の楽しい夜はこれにてお開き。

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