モンゴルツアー2016 ツアーレポートその 9

8月5日(金) ツアー6日目
ホスタイ国立公園 モイルトキャンプ場
ハイキング

昨夜は雨の音を聞きながら眠る。明け方目が覚めて外に出ると、もう雨は上がってる。テーブルの上にある飲み残したペットボトルのお水を見つけ、喉が乾いていたので飲み干す。冷たくて美味しい。もう一度ベッドに横になり、うとうとしているとバディーが朝ごはんが出来たよと呼びに来た。ツアー始まって初めての寝坊だ。今日は国立公園のネイチャーガイドとともに北東へ続く谷を峠までハイキング。周りの山々は雲の中に隠れて見えないけど、日差しがないので山歩きにはちょうどいいかもしれない。朝食後、準備ができ次第出発。出発時間になってもネイチャーガイドは来ない。どうやら調査にでかけてしまっているらしい。まあ、そんなことはよくあることなので、それに周辺の山の地形についてはよく知っているので気にせずに出発。

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まんまるな青い花が印象的なアザミの仲間。葉っぱの付け根にも可愛い花がついてる。

ワレモコウ、ナデシコ、アザミ、ノギク、フウロ、エーデルワイス、その他たくさんの高山植物の咲く中をのんびりと峠を目指して歩いて行く。途中、一頭だけポツンと山の中腹に佇む明るい薄茶色の馬を発見。ゆっくりと近づくと顔が普通の馬よりも大きく、顔の先っぽが白いのが見える。野生馬タヒだ。なんか痩せていて元気がないようだ。群れから追い出された雄馬なのかな。この辺りはオオカミも多いから、そのうち食べられてしまうかもね、なんて話しながら歩いて行くと、草原に骨が散らばっている。こいつもオオカミやハゲワシに食われてしまったのだろうか?ただの馬かタヒかはちょっと分からない。こんなにキレイな?状態の骨は珍しいので、ちょっと日本へ持って帰りたいなって思ったけど、重いし嵩張るからやめにした。そういえば毎年のように誰かがおみやげに小さな骨を持って帰るんだよな。僕の家にもモンゴルから持ち帰ったゼール(野生のヤギ)の角や鷲の羽根がある。

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頭蓋骨と下顎を重ねてバディーの手をがぶり。結構重い。

それぞれのペース、思い思いのルートで峠を目指してさらに歩いていると、キャンプ場の方から2人乗りのバイクがやってきた。国立公園のレンジャーかな?と思ったけど、どうやらネイチャーガイドが来てくれたらしい。今回のツアー、事前にモンゴルの風の旅行社からネイチャーガイドは動物に詳しい人か植物に詳しい人、どちらがいい?なんて今まで聞かれたことのないことを聞かれて、高山植物の好きなKさんもいるし植物に詳しい人をリクエストしていたのだ。あまりあてにはしてなかったけど、こうして駆けつけてくれると嬉しい。(あとで知ったんだけど、バディが今朝話電話で来てくれるように頑張って頼んでくれていたのだ。目に見えないところで頑張ってくれているなあ。)

Jpeg霧のかかる山を行く。カラフルなカッパのおかげでお互いの姿を見失わずにすむ。

標高も高くなり、だんだん霧の中に入っていく。立ち止まるとちょっと寒いけど、空気が湿っていて息を吸うと気持ちいい。草原を、白樺の森の、針葉 樹の森を歩いている時、それぞれ違う匂いがする。そんな変化に富んだ道を3時間近く歩いてようやく峠に出た。風が強い。登ってきた道を振り返ると、遠くに キャンプ場の建物が少しだけ見えてる。少し高い岩に登って峠の反対側を見ると、昨日立ち寄ったホスタイの保護センターやその北側に広がる草原が見える。す ぐ東側にはオオカミがたくさん住んでいる岩山、南側の高い峰からは周りの峰へとつながる尾根が四方八方に伸びている。僕らの他には誰もいない。

thumbnail_IMG_6618峠で記念撮影。左側から3人目の女性がネイチャーガイドのツェギー。ホスタイでは植物のツェギーと呼ばれるほど、植物が、そしてホスタイの自然が好きで、この後もRさん、バディーになんとかして素敵な物を見せようと2人を遠くまで連れていってくれたのだ。

北側の岩山にタヒがいないか、駆け上がって見てみる。残念ながらいない。標高およそ1500メートル。さすがに息があがる。帰りはKさん、Tさん、Mさんの3人はマツムシソウの咲く北側の尾根を、Rさん、バディーはネイチャーガイドのツェギーの案内で野生動物を探しながら南側の尾根を。僕は北側の尾根へ出るところまではKさんたちと一緒に、その後南側の尾根へ、というルートで帰ることに。

尾根へ出てKさんたち3人と別れた後、走るように南側の尾根を目指す。時々タルバガが目の前の岩の上や草原に現れ、僕を見つけて慌ててお尻を振りながら走っていく。幾筋も獣道が通っていて、南の尾根へと続いていそうな道を選んで進む。いたるところに鹿や馬の糞が落ちている。さっきまでここに鹿がいたんじゃないか?って生き物の気配や、匂いもする。森の中や岩場を行く時にはばったり出会いそうで、ちょっとドキドキしながら。南側の尾根の岩が積み上がった峰に出た。反対側の尾根にはさっき別れたKさんたちが小さく見えている。ヤッホーって大声で叫ぶと大きくこだまが帰ってくる。キャンプ場へと続く尾根の上にも、峠からの道の上にも、南側の谷間に広がる美しい草原の上にもRさんたち3人の姿は無い。森のなかを歩いているのかな?探すのを諦めて、獣になったように獣道を駆け下り、また駆け上がりながら先へと進む。

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タルバガ。この可愛いモルモットがモンゴル人の大好物で、みんなが狩りをするので数が激減しているらしいが、ここ国立公園内にはたくさんいる。運転手のムンフーはモイルトにいる間ずっと双眼鏡でタルバガを覗いては、あー、美味しそうなのがあそこにも、あそこにも、と獲りたくてうずうずしていた。笑

DSC03233キャンプ場が近づく頃には霧も晴れて、遠くの草原が陽の光で輝いて見えた。

モイルトキャンプ場が見えてきた。振り返るとKさんたちはまだ遥か向こうの尾根を歩いている。お昼ごはんの時間をかなり過ぎてしまいそうだったの で、きっとみんなお腹が空くだろうと思いキャンプ場へ戻りチョコレートと水を持って再びKさんたちの降りてくる北側の尾根へ登る。マツムシソウが咲き乱れ る中、嬉しそうに降りてくる3人と合流。一緒にゆっくり下山していると反対側の尾根に人影が見えた。向こうもようやく戻ってきたみたいだ。ほぼ同時に、時間をあわせたみたいにキャンプ場に到着。いつの間にか霧も晴れて青空も覗いている。

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