モンゴルツアー2018 その1

ついこの前まで家の前の仁淀川で泳いでいたと思っていたら、いつの間にか12月になろうとしています。
ライブの時などに、今年のモンゴルは本当に草原が美しかった、写真を投稿するのでHPを是非見て下さいと何度も言いながら時間ばかりたってしまいました。ごめんなさい。

ようやく、遅ればせながら、ツアーの報告をこれから年末にかけて何回かに分けて投稿していこうと思います。

モンゴルツアー2018 その1

今年のツアー、昨年に引き続きほぼ定員いっぱいの14人が参加してくれてました。
8月8日に成田空港に集合、出発する予定だったんだけど、なんと台風の影響で僕らの搭乗するはずの飛行機がウランバートルを飛び立たず、乗る飛行機がない。出国が一日伸びることに。10年以上ツアーをしてきたけど、出国できなかったのは初めてのこと。波乱に満ちたスタートになったのでした。

風の旅行社がホテルを無事手配してくれて、自宅待機の関東在住の数人を除いた参加者10名ほどで、空港からタクシーで20分ほどの多古町の旅館へ移動。ただ泊まっても面白く無いので、旅館の女将と相談して、その日の夜は岡林立哉ミニライブを急遽開催することに。近隣の人たちや宿に宿泊していた外国人旅行客も集まって、夜8時ころから1時間弱、スペシャルライブとなりました。

このライブ、女将さんが一番喜んでくれて、終演後にはビールと焼酎、巻寿司の差し入れをいただき、台風で風が強まる中、みんなで宴会。まだ成田周辺にいるのだけれど、旅気分も盛り上がり、これはこれで楽しいスタートとなりました。

一夜明けた翌日も、まだ台風の余波で飛行機の遅れが続き、夕方遅くにようやく成田空港を出発。ウランバートルへは丸一日と4時間遅れの8月10日午前0時過ぎに到着。本来初日はウランバートルのホテルに宿泊なんだけど、すでに予定を一日遅れているし、これ以上もたもた旅をしていられないとの判断で、到着後、真っ暗闇の草原の凸凹道を走って、バヤンウンジュール村のアルブルドキャンプ場へ向かうことに。長旅で疲れているであろうみんなには、かなり過酷なスケジュールだけど、きっと着いた朝の草原はみんなに感動を与えてくれるはず、と、祈るような気持ちで風の旅行社の黄色いバスに乗り込む。

アルブルドキャンプ場への道のり、空港から80キロくらいまでは舗装道路なんだけど、そこから先はまったくの草原の道。道路標識も、街灯も、地図すらもない。実は今までの旅でも昼間にも関わらず何度も道に迷い、たまにすれ違う車や、道沿いに見えるゲルを訪れて道を聞きながら辿り着くような道のりなので、今回の真夜中の旅、本当のことを言うとめちゃくちゃ不安で、きっと道に迷うに違いない、たいへんだなあと思っていた。(お客さんには内緒にしていたのだけど。)そんな気持ちで、真っ暗な舗装道路を2時間ほど行き、バスはスピードを落として脇道へと降りていった。これからいよいよ草原の道だ。

雨上がりの草原の道にはあちこちに水たまりがあり、大きく揺れながらそれを避けて走って行くと、ずっと先、真っ暗闇の向こうから明るいヘッドライトがこちらへ向かってやってくるのが見えた。この時間に対向車があるのは運がいい。あの車が道をよく知っている車ならきっとキャンプ場までの道のりを教えてくれるかもしれないと、祈るような気持ちで近づいてくる光の点を見つめる。車は僕らのバスから少し離れたところに停まり、中から男が降りてきた。アルブルドキャンプ場の社長だ。僕らの到着に合わせて、僕らを先導するためにわざわざやってきてくれたのだ。

僕もバスを降りると、彼に歩み寄ってガッチリと握手する。神様に出会ったような、そんな気分。涙がでそうになる。いや、きっと出ていたに違いない。誰かと出会ってこんなに心強い、安心した気分になったこと、今までにあったかなあ。再びバスに乗り込むと、みんなに状況を説明して、そのあとは凸凹道に揺られ、時々は目を覚ましながらも、安心してよく眠った。

どれくらい走ったのか、辺りが明るくなってきて目を覚ます。目を凝らすとだんだん草原の様子が見えてくる。初めてモンゴルへ来たお客さんたちはどんな気持ちでこの景色を見ているんだろう。見慣れた三角の山が遠くに見えてきた。あの山を回り込めばアルブルドキャンプ場はもうすぐそこだ。

夜明け前にアルブルドキャンプ場へ無事到着。明け方にも関わらず、スタッフがみんなで出迎えてくれ、レストランゲルの暖炉で暖まりながら温かいお茶を飲む。日本を出て、まだ半日もたっていないのに、まわりには何もない。草原の真っ只中だ。キャンプ場の南の小さな丘に登って草原を眺める。雲の切れ間から朝日が草原を照らす。雨上がりのしっとりした草原は今まで何度も見てきたどの草原よりも美しく輝いて見えた。

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